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ウィリアム・C・デメント「ヒトはなぜ人生の3分の1も眠るのか?」

ヒトはなぜ人生の3分の1も眠るのか?

当方、昼間に激しい眠気に襲われることが多いのです。中学生のころからずっと。だから授業中はよく居眠りしていましたし、会社でも昼休み時間の昼寝は欠かせません。

もちろん、仕事をしていると昼寝のできない日もままあるわけですが、その場合は薬を使っています。一度お医者に診てもらったことがあって、その時にもらった眠気覚まし薬が命綱です。

さて、そんな具合ですから、睡眠に関する本は見つけ次第立ち読みして、参考になる内容であれば買っています。今回のこの本は、5冊目くらいの購入になりますが、いくつかの新たな発見がありました。一番驚いたのは「睡眠負債」という考え方です。

睡眠負債

夜更かしをすれば次の日は起きている間も眠い。それは誰もが体験していることですが、ではその「夜更かし分」(=睡眠負債)はいつまで残っているのか?その問いに、著者は「少なくとも2週間*1」と述べています。2週間!しかも、その負債は、負債分だけ眠らないと取り返せないとのこと。

2週間も負債が残ったままだったら返済は大変だ・・・しかも、負債分をそのまま、割引もなにもなしで眠る必要があるなんて。これはちゃんと「毎日早めに寝るべし」ってことかな。

ちょっと信じがたかったのですが、著者は睡眠障害の研究の第一人者のようで(あの「レム睡眠」の名付け親みたいです)、きちんとした実験から導き出された説であることは間違いなさそうです。

ちなみに、どれくらい夜更かしすれば「負債」になるのかは人によって違います。これは、標準となる睡眠時間が人によって違うためだそうです。

睡眠潜時

この本で、「睡眠負債」に次いで驚いたのは、「睡眠潜時」の考え方です。これは、「床についてから眠るまでの時間」。これで「眠気」を数値としてとらえることができるそうです。

この考え方自体は特に驚くほどのものでもないですが、その標準値には驚きました。10・15分が標準で、5分以内だと寝不足がひどい(睡眠負債が大きすぎる)か睡眠障害、なのだそうです。

私は夜なら大抵1分以内、昼寝の時でも5分以内には眠りに入ります(だから、12時50分から13時の間でも昼寝できる)。毎日6時間程度は寝ているけど、全然足りてないってことなのかなあ。日中に眠気を感じるのも当然なのか。睡眠についてもうちょっと真剣に考えてみようと思うようになりました。

ちなみに、この本。柔らかいイメージの表紙とタイトルですが、中身は学術的な実験結果をベースにしており、しかも著者が睡眠医療の第一人者ということで、基本的に信頼できる内容だと思います。もちろん、ところどころユーモアを交えわかりやすい記述に徹するなど一般人への配慮はなされていますし、著者による「睡眠医療という分野がどのように世の中に浸透していったかのあゆみ」として読むこともできます(だから、ちょっと著者の自慢話っぽい記述も散見されますが、不快にならないレベルです)。

個人的にもっとも有用だったのは、他のよくある本と違い、「不眠症」「睡眠時無呼吸症」だけでなく、その他の「日中の眠気」にもかなりのページ数を割いている点です。巻末には適正な睡眠をとるための3週間プログラムも記載されており、入門書としても実践書(睡眠改善初期の)としても役立ち興味を持って読める本だと感じました。

*1:その上、実は2週間以上かもしれないそうです。2週間という数字の根拠は、条件の整った環境下での実験がそれ以上の期間行われていないから、というだけのことだからです。



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