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金城一紀「GO」

GO (講談社文庫)

以前から噂を聞いていたものの読む機会がなかったこの小説。ちょうど手元の本を読み終えた直後、書店で目に入ったので買ってみました。

けんかがめっぽう強く「開校以来のバカ」と言われていたが「知る」ことの面白さにも目覚めてきたコリアンジャパニーズの高校生が主人公。そしてある夜出会った魅力的な少女は日本人。二人は・・・というストーリー。単なる青春恋愛小説として見てもなかなか魅力的なのですが、何よりもこの作品を興味深くしているのは、現代に生きるコリアンジャパニーズの実態が生き生きと、しかもからりと明るく描かれているところでしょう。

「在日朝鮮人」が「在日韓国人」に変わる理由。そうしたときの周囲のコリアンジャパニーズの反応。朝鮮学校の授業。差別・・・(恥ずかしながら)この小説で知ったことは多いです。コリアンジャパニーズには常識であるいろんなことをまったく知らないことに、「壁」の厚さを思い知りました。「溝」の深さに時々唖然とする。でも、暗くない。だから素直に面白く読める。

登場人物が魅力的なところもこの小説の魅力でしょうか。主人公、父、友人、恋人・・・こんな人たちが身近にいると大変なんだろうけど、でも毎日が面白いだろうな。

この作品は、おそらくこの先何度か読み返すでしょう。小説を読み返す習慣は基本的にないのですが、例外はたまにあります。


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