庭を歩いてメモをとる

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島田荘司「SIVAD SELIM」 (「島田荘司読本」収録)

島田荘司読本 (講談社文庫)


■ご紹介下さった方
イギリス研究会のミステリファン


■紹介メッセージ
横浜で私立探偵を開業している御手洗と石岡のもとに、ロックバンド・コンテストの ゲスト出演の依頼が来る。御手洗はギターの名手で、その腕をみこんでのことだが、 御手洗自身はコンテスト当日来客があるといってあっさり断る。当日、石岡の説得の 甲斐なく御手洗はさっさと出かけてしまい、しかたなく石岡がかわりに審査員として 会場におもむくはめになるのだが...

というような話なのだが(これだけではなんのことやらわからないか)、話の内容は ともかくこの小説に表れる音の描写は本当にリアルだ。音楽ファンなら、とくにビー トルズのファンならぞくぞくするんじゃないかな。短い話だし、読んでみて損はない と思う。ちょっとした図書館なら作家研究コーナーあたりにおいてあると思います (さすがに買えとはすすめられないんで)。


■管理人の感想
島田荘司の音楽への愛情が積もり積もってあふれ出てしまった、とでもいうような作品ですね。彼が、ビートルズとあのトランペッターとを愛するあまり、長年育んできていた夢を一気に書きつづった様子が、コンサートでの御手洗のギターとシヴァのトランペットの描写から伝わってきます。このような音楽への純粋な愛情表現は、音楽ファンとしては嬉しいものです。


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