庭を歩いてメモをとる

おもしろいことや気になることのメモをとっています。

少年ポール・マッカートニーが歩いた道

ポールの育った家

幸い、快晴でした。ポールの少年時代の足跡をたどるのには、やはり快晴が一番お似合いです。

リバプール・ライム・ストリート駅から徒歩5分、ツーリスト・インフォメーションセンター前のバス停から、Allerton Road.を通るバスに乗りました。目指すはForthlin Road20番地。1955年から64年までポールが過ごした家です。ここから、ポールとジョンが過ごした足跡を追ってみるのです。インフォメーションで1.5£のビートルズマップを手に入れているので、場所の見当はつきます。

バスは郊外へ走り出しました。約15分ほど乗って、そろそろかなというころ、運転手さんに聞いてみました。
「Forthlin Roadに一番近いバス停に着いたら教えて下さい」
「悪いがその道は知らない。」
え。じゃあ適当に降りるか。そう思ったら、後ろに座っていたおばさんが、
「次が一番近いわ。ポール・マッカートニーでしょ?」
とにこにこ。お礼を言って、バスを降りました。バス運賃は1£でした。

バス停からForthlin Roadはすぐ近く。バスの通る大通りから少し入った閑静な住宅地です。ポールの家は、なんなく見つかりました。

※ 現在、この家はナショナル・トラストに指定されているので、予約をすれば中を見学できるそうですが、当時はまだ指定されていなかったので、外観のみを堪能しました。

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Forthlin Roadの住宅地


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ポールが育った家


ストロベリーフィールド

少年ポールは家を出て、どこに行くのだろう?1957年7月6日、クラスメイトのアイバン・ヴォーンに誘われたポールは、どの道筋でセント・ピーターズ・チャーチへ行き、ジョン・レノンと会ったのだろう?地図を見て、単純に近道を通っていくことにしました。

暑い日差しの中汗ばみながら、住宅地の中や車の多く通る道を2Kmくらい歩いたでしょうか。気がつくとストロベリーフィールドのすぐそばに来ていました。


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ストロベリーフィールドの門。旅行当時こちらは使われていませんでした。


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ストロベリーフィールドの門・近影


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旅行当時の正門はこちら。


実はこの新しい正門と塀には大切な想い出があります。1990年9月にはじめてここを訪問したとき、ちょうどこの塀のブロックをリフォーム中だったのです。すると陽気な作業員の兄ちゃんが満面の笑顔で「ブロックはめてみる?」と実際にブロックを手渡し置かせてくれたのです!それ以来、ストロベリーフィールドには曲と少年ジョンだけでなく、自分のはめたブロックへも想いを馳せる場所になりました。


ジョンとポールの出会った場所

ポールは、セント・ピーターズ・チャーチのお祭りの日に、女の子をひっかけに行くつもりで出かけたとのこと。私は、目的は違いますが(それどころかおじさんの少年時代を追いかけている・・・)同じようにどきどきしながら教会へ向かいました。

教会の尖塔が見えてきました。あれだな。でもジョンとポールが出会ったホールは教会とは別のところにあるらしい・・・・などと考えていると、突然声をかけられました。

"May I help you?"
はっとして振り向くと、牧師さんでした。
「あの、セント・ピーターズ・チャーチのホールを探しているんですが」
「私はその教会の牧師です。」
やっぱり。牧師さんはさらに私に尋ねました。
「エリナ・リグビーの墓はご存じですか?」
実在するという話は聞いたことがある。でもこの教会にあったのか(旅行当時は知らなかったのです)。
「いえ、詳しくは知りません。」
「ではご案内しましょう。お時間はありますね?」

牧師さん自ら先頭に立って、教会の墓地に案内して下さいました。
「これがエリナ・リグビーの墓です。」
本当にそう書いてある。なになに、彼女はThomas Woodsの奥さんで、1938年10月10日に44歳で亡くなったのか。
「ここからだと、一番うまく写真が撮れます。」
あまりにも丁寧で親切な語り口調でした。
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感謝の言葉を述べる間もなく、牧師さんは次の場所へ案内してくださいました。ジョンとポールの出会った教会のホールです。

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ジョンとポールが出会った場所

ホールは教会の道を隔てた向かいにありました。少し古ぼけた雰囲気が、かえって歴史的な場所であることを実感させます。 「ジョンとポールが出会った頃から変わっていないのですよ。」 私の気持ちを読みとったかのように牧師さんが教えて下さいました。 その古い壁の一画に、真新しいプレートがありました。

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IN THIS HALL ON
6th JULY 1957
JOHN & PAUL
FIRST MET

運命の出会いからの40周年を記念して取り付けられたプレートでした。 私がここにくるほんの2週間前に取り付けられたものです。 「ジーザスを信じない」と歌った人間でも素直に称える懐の広さと、牧師さんの親切が重なって心にしみ入りました。

牧師さんは、私とプレートの記念写真を撮って下さった後、私の気持ちを察して教会へ帰って行きました。 誰もいないホールの前で、40年前の喧噪を想像しながら、私はしばらくそこから動くことができませんでした。


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