庭を歩いてメモをとる

おもしろいことや気になることのメモをとっています。

社会と課題

なぜ台湾は親日なのか

日本が過去に植民地支配した国・地域の中で、台湾は特に親日だと感じるけどそれはなぜなのか、少し考えてみました。ちょっと調べただけだし、勘違いがあるかもしれません。その場合はご指摘いただければありがたいです。 本当に親日かまず、台湾が親日という…

第50回イギリス研究会(2日目) 福島県いわき市

(前日からの続きです。) いわきへ8時に茨城県ひたちなか市在住のKさんの車にFさんと乗り込み、福島県いわき市を目指します。Kさんは被災者でもあるので(昨日ご自宅の前を通りましたが屋根にはブルーシートが)、高速道路は無料でした。だんだんと、家々の…

第50回イギリス研究会(1日目) 茨城県ひたちなか市〜東海村

">イギリス研究会の記念すべき第50回は北関東で行うことになりました。メンバーの一人が茨城に住んでいて以前からそこでやろうかという話があったのと、その方の福島県いわき市での東日本大震災関連ボランティアの経験をうかがって、現地に足を運ぶ必要性を…

日本のナショナリズム、若者の生きづらさ〜小熊英二時評集「私たちはいまどこにいるのか」その2

その1「戦後日本社会の転換点と『1975年体制』」に引き続き、この本で特に印象深く感じたふたつの点についてメモします。 日本のナショナリズムまず、ナショナリズムがなぜ人を引きつけるのかという根本的な疑問について。いや、私自身もなんとなくその「魅…

戦後日本社会の転換点と「1975年体制」〜小熊英二時評集「私たちはいまどこにいるのか」その1

膨大な文献を読み込み現代日本の問題の前提となっている「歴史」を疑い捉えなおす、というパターンでいくつかの大著を世に問うてきた小熊さん。今回は、この10年余りの彼の時評を集めることで、彼が現代社会の問題についてどう考えているのかが見えてくるよ…

「ジャングル黒べえ」が絶版になっていた本当の理由

「ジャングル黒べえ」一時期絶版になっていた理由は、具体的な抗議があったからではなかった-その内容について、安藤健二「封印作品の謎2」をもとに整理したメモ。作品が誕生した70年代の雰囲気についての管理人の個人的な経験も少し書いています。

連合赤軍リンチ殺害事件をどう受け止めていくのが適切か

連合赤軍事件のこれまでの受け止められ方と、今後の受け止め方の提案。

連合赤軍はなぜ「同志」を12人もリンチ殺害したのか

1968〈下〉叛乱の終焉とその遺産posted with ヨメレバ小熊 英二 新曜社 2009-07 Amazon楽天ブックス 前のメモで、連合赤軍とはどういう集団だったのかを見てみました。そもそも一緒になりそうにない二つの集団が合同したものということはわかりましたが、で…

連合赤軍って何?

連合赤軍とは何なのか、何が連合してどんな性格を有するに至ったのかを、小熊英二「1968」の内容を元に整理。

個人的な不満と政治との関わりはどういうものになるのか? - 宇野重規「<私>時代のデモクラシー」

一人一人の<私>というミクロな視点に立つことで、社会全体のマクロな動態を把握していくための本です。どこかの書評(失念失礼)で知って読んでみました。私自身と政治との関わり合いについて何か参考になれば、と思ったのです。以下、私自身の独り言とと…

日本の有給休暇取得率が低い制度的な理由とは? - 大竹文雄「競争と公平感」

さすが、いろんなところで評判になっているだけあって、興味深い小ネタが読みやすく配置されていますね。さらっと楽しんで読めました。と、こう書くと内容が軽い本のように思われそうですが、豊富なデータと明晰さがうかがえる洞察がまんべんなくちりばめら…

日本の社員の解雇が難しい理由 - チームJ「日本をダメにした10の裁判」

最高裁の判例は事実上法令と同等の効力を有します。そのように大きな効力をもつ判例(最高裁以外も含む)の中から、特に後の世に大きな影響を及ぼしたものを紹介し、検証する本です。どの章も興味深い例を挙げている上に批判するだけでなく提言も行っている…

マッサージにおける不正保険請求が最も多いのは大阪?-吉田あつし「日本の医療のなにが問題か」

タイトルとは異なり、日本の医療を経済学の視点で捉えた本です。しかり、「看板に偽りあり」(きつい言い方ですが)ではあるかもしれませんが、羊頭狗肉ではない(内容は充実している)と感じました。医療の現状について豊富なデータを用い、極めて客観的に…

幸福度が低い人の傾向とは? - 大竹文雄・白石小百合・筒井義郎「日本の幸福度 格差・労働・家族」

この本は、アンケート結果を分析することで、日本に住む人のうち、どんな人が幸福だと感じている/いないことが多いのかを調査したものです。いつものように、印象に残った部分をメモします。 幸福度が低い人の傾向例えば、地方在住者より都市部在住者のほう…

「新しい歴史教科書をつくる会」関係者の特徴とは - 小熊英二・上野陽子「<癒し>のナショナリズム」

小熊英二助教授(当時)の論考と彼のゼミ生・上野陽子さんの卒業論文(2002年)で構成されている本。小熊さんの論考も興味深いのですが、ここでは上野さんの論文についてメモします。彼女の論文は、「新しい歴史教科書をつくる会神奈川県支部有志団体史の会…

日本人は集団主義ではない? - 高野陽太郎「『集団主義』という錯覚 日本人論の思い違いとその由来」

日本人は集団主義、アメリカ人は個人主義とよく言われる。しかしそれを実証した実験結果はない。よって、日本人は集団主義とは言えない。それがこの本の要旨です。著者は、日本人とアメリカ人を比較した実証研究を調査します。すると、対象となった19件の研…

死亡記事の面積ランキング−爆笑問題「爆笑問題の死のサイズ」

この本は2つの柱で構成されています。ひとつは新聞の死亡記事をもとにした爆笑問題の対談。もうひとつは1950年から99年までの新聞(おそらく産経)死亡記事の面積ランキングです。対談部分は、特に太田さんの読書量や知識が垣間見える内容で勉強にもなりつつ…

外交路線における3つの選択肢とは - 孫崎享「日米同盟の正体−迷走する安全保障」

職場の読書会で同僚がこの本について発表していたのを機に関心を持ったので読んでみました。2005年10月29日、日本の外務大臣、防衛庁長官と米国の国務長官、国防長官は、「日米同盟:未来のための変革と再編」という文書に署名しています。これは著者による…

アメリカ人による「アメリカは日本を断罪する資格があるのか?」という問い - ヘレン・ミアーズ「アメリカの鏡・日本」

「日本がなぜ戦争を始めたのか」についていくつかの本を読んでいたところ、職場の上司が「その時代に関心があるならこの本を読んでみてはどうか」と薦めてくれたのがこの本です。本書は、1948年、アメリカのアジア研究者でGHQの一員として日本の労働法の策定…

加藤陽子「それでも、日本人は戦争を選んだ」

このタイトルだけを見れば、日本がなぜ太平洋戦争を始めたのか、その理由とそれが避けられなかった事情が書かれている、そんな本だと思うでしょう。しかしそうではありませんでした。この本の実際の内容は、歴史学者である著者が、高校生を相手に、日清戦争…

ハンナ・アーレント「イェルサレムのアイヒマン−悪の陳腐さについての報告」

ナチのユダヤ人絶滅計画を推進し、戦後アルゼンチンに逃亡したものの、イスラエル秘密警察に拉致されて裁判を受け死刑になった男。アイヒマンに関しての私の知識はその程度でした。この本を読むまでは。この本は、アイヒマンの所業とエルサレムでの裁判に関…

臼杵陽「イスラームはなぜ敵とされたのか」

911同時多発テロの1ヶ月後、友人たちとシンガポールに集まったとき、一人が言いました。「俺の乗った飛行機で、アラブの人が急に手を挙げるから、この飛行機が乗っ取られる合図かなとびびっていたら、ただ伸びをしただけだったよ。」私はこれを聴いて爆笑し…

ダン・アリエリー「予想どおりに不合理」

経済学では、人間は合理的に行動することとされています。価格は需要と供給の一致で決まる。これも人が合理的であるからこそ成り立つ原則です。しかしこの本では、人間はよく不合理な行動をする−しかも予想通りに−ことが述べられています。未知の商品が出た…

大石繁宏「幸せを科学する」

これは、心理学的見地から「幸せ」を考察した本です。って、「幸せ」って多くの人にとって一番関心のある心理状態だと思うんですが、なぜそんな本が今ごろ?といぶかしむ方もいらっしゃるでしょう。私もそう思いました。しかし、これまでの心理学では、幸福…

ジャレド・ダイアモンド「文明崩壊」(下)−ルワンダ大虐殺と人口圧力

文明崩壊 下: 滅亡と存続の命運を分けるもの (草思社文庫)作者: ジャレドダイアモンド,Jared Diamond,楡井浩一出版社/メーカー: 草思社発売日: 2012/12メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 2回この商品を含むブログ (18件) を見る 機会があったのでこの本を再…

日本の戦争敗因二十一ヵ条とは - 山本七平「日本はなぜ敗れるのか」

日本はなぜ敗れるのか―敗因21ヵ条 (角川oneテーマ21)posted with ヨメレバ山本 七平 角川グループパブリッシング 2004-03-10 AmazonKindle楽天ブックス楽天kobo 本書はフィリピンでの戦闘経験のある著者が、同じく戦中のフィリピンに技術者として派遣された…

アンドルー・ゴードン「日本の200年」(下)

上巻に引き続き下巻を読み終わってみて。今まで読んだ日本の近現代に関する歴史本の中で、個人的に一番楽しめ、ためになりました。理由は、上巻でも述べた「広範囲な対象を簡潔に記述している」「その当時の労働者・一般市民にも光をあてている」「客観性を…

アンドルー・ゴードン「日本の200年」(上)

歴史を学び、そこから自分なりの考え方を持つことのメリットって何があるんでしょう。本やニュースを読んだときに理解が深まる。過去の出来事が今後進む道についての参考材料になる。いろいろありますが、私個人が感じる大きなメリットのひとつは、外国の人…

エドワード・W・サイード「オリエンタリズム」

私たちが「オリエント」という言葉を聞いて思い浮かべるのはどんなイメージでしょうか。私の場合は、それは中央アジアあたりの砂漠の都市とラクダを連れたキャラバンだったり、タイあたりの民族衣装を着た女性の優雅な踊りだったりします。みなさんもこの言…

ロバート・B・ライシュ「暴走する資本主義」

この本に書かれていることは明解で、次のようなものです。1970年代以降、「消費者」「投資家」としての私たちは強くなったが、「市民」「労働者」としての私たちは弱くなった。そのとおりだと思います。なんとなく日々の生活で実感していたことを豊富な例を…

ピエトラ・リボリ「あなたのTシャツはどこから来たのか?」

アメリカ人の学者が、自分がフロリダで買ったTシャツがどういう「一生」をたどるのかを追いかけた本。アメリカで栽培された綿が中国に渡ってTシャツになり、またアメリカに返ってきて買われ、古着になり慈善団体などを経てアフリカで「一生」を終える。その…

ポール・ホースト「戦争の経済学」

正直に告白すると、私はこの本を飛ばし飛ばし読みました。この本は、大学の経済学部の学生のテキストにもなるように書かれているということで、数式がたくさん出てくるのです。そこを読み飛ばしました。それでもあきらめず最後まで読み通せたのは、やはり書…

ケン・ハーパー「父さんのからだを返して」

uikoさんのブログで知った本です。uikoさん、ありがとうございました。 人類で最初に北極点に到達したと言われているアメリカ人探検家、ロバート・ピアリー。その不屈の精神は偉人伝などでもおなじみかもしれません。私も子どものころ、学習漫画のたぐいで短…

玄田有史「14歳からの仕事道」

ちなみに、上のエントリで書いた「仕事についての視点」をわかりやすく、明確に提示しているのがこの本です。中学生向けに書かれた本だそうですが、「仕事」についての様々な考察とアドバイスは、小学生から社会人まで様々な年齢層の人に示唆に富むものだと…

松宮健一「フリーター漂流」

けんごくんのブログで知って読んでみた本です。さまざまな年齢・境遇のフリーターへのインタビューで構成されています。フリーターへのあたたかい視線を保ちながら(この視線が上原隆のそれに似ている感じがしました。上原氏の本は大好きで何度も読んでいま…

なぜセルビアが「悪者」になったのか - 高木徹「ドキュメント 戦争広告代理店」

ドキュメント 戦争広告代理店〜情報操作とボスニア紛争 (講談社文庫)posted with ヨメレバ高木 徹 講談社 2005-06-15 Amazon楽天ブックス 90年代のユーゴスラヴィア紛争において、セルビアには国際的に強い「悪」のイメージがつきました。日本ではそういった…

日本はなぜ真珠湾攻撃を行ったのか その3

そう外国人らしき人に訊かれて、うまく説明できないので少し本を読んでみてから(その1・その2)、一応返答してみました。英文ブログ:Why did Japan attack Pearl Harbor?この英文ブログ、もともとは「外国人向け私的FAQ」のつもりで書き始めたものなので、…

日本はなぜ真珠湾攻撃を行ったのか その2

大川周明のラジオ講話「なぜ日本は真珠湾攻撃を行ったのか」について、前回とは違った視点で書かれた本を探していたところ、妻が一冊の本を紹介してくれました。戦後、東京裁判において政治家以外で唯一A級戦犯(平和に対する罪)で起訴された大川周明が、太…

吉田裕「アジア・太平洋戦争」

先日のメモでも取り上げた本ですが、先日のテーマ「日本はなぜ真珠湾攻撃を行ったのか」からははずれるけど興味深かった部分をメモ。 戦時下の国民生活の窮乏度枢軸国はどこも窮乏していたと思っていたのですが、ドイツと日本ではかなり事情が違っていたよう…

日本はなぜ真珠湾攻撃を行ったのか その1

英文ブログで、日本人が真珠湾攻撃についてどう感じているかを書いたところ、「日米交渉中だったのに、そもそもなぜ真珠湾攻撃を行ったのか」という質問コメントがつきました。きちんとお応えしたいところですが、実は私もよく知らないので、本を読んで調べ…

ベネディクト・アンダーソン「想像の共同体」

ナショナリズムについて考えようとしたときに、この本がいろんなところで引き合いに出されていたので読んでみました。ただ、あまりにたくさんの情報が詰め込まれていて私の頭にはオーバーフロー気味だったので、ものすごく乱暴に単純化した上でメモします(…

山本譲司「累犯障害者」その2

前回に引き続き、今度はろうあ者をとりまく世界について。まず非常に驚いたのは、手話には2種類あって、ろうあ者が日常で使っているのはその一方だけだということです。ろうあ者の用いる手話は、日本語とは別の言語で、健常者が学習する手話と異なり、手以外…

山本譲司「累犯障害者」その1

一言で言えば、身近に自分のまったく知らない世界があったことを思い知らせてくれた本でした。というか、自分が身近な問題をきちんと見つめようとしていなかったということを気づかせてくれたと言うべきでしょうか。 この本は、障害者による犯罪についての真…

経済が早期に発展した国、遅れてキャッチアップした国、なかなか伸びない国の違いは何か - ウィリアム・バーンスタイン「『豊かさ』の誕生」(第2,3部)

第1部からの続きです(点線部分は、正確な引用ではなく、よしてるによる要約です。)。この本の第2部では、経済が早期に発展した国(イギリス、アメリカ)、遅れてキャッチアップした国(フランス、スペイン、日本)、なかなか伸びない国(イスラム諸国等)…

マグナ・カルタはなぜ影響力を持ち続けたのか - ウィリアム・バーンスタイン「『豊かさ』の誕生」(第1部)

1820年頃はなぜ人類史において特別なのか 1820年前後は、人類史において特筆すべき時期。なぜなら、それまでは経済成長はあってなかったようなものだったけど、その時期から急激に経済が成長し始めたから、なのだそうです。この本の第1部では、なぜそれが古…

ブラッド・ダイヤモンド

[物語]アフリカのシエラレオネ共和国。村を反政府軍RUFに襲われ家族と生き別れになったソロモンは、RUFのダイヤモンド強制採掘場で偶然大粒のピンクダイヤを発見し、それを隠すことに成功する。一方、白人の密輸業者ダニーはそのピンクダイヤを手に入れるた…

デイヴィッド・プロッツ「ジーニアス・ファクトリー ノーベル賞受賞者精子バンクの奇妙な物語」

「氏より育ち」とはよくいいますが、本当にそうなのか。これまでここで取り上げたシンガポールの政策や「ヤバい経済学」のメモからは、「育ちより氏」の側面が強調されていたようにも感じます。もうちょっとこのことを掘り下げて知りたいなと思っていたとこ…

フィリップ・ゴーレイヴィッチ「ジェノサイドの丘−ルワンダ虐殺の隠された真実」(下)

ルワンダでの虐殺を描いた上巻に続き、虐殺後のルワンダを綴った下巻。虐殺に荷担した人々が逃亡先の国外からルワンダ国内に戻ってきて、生き残った人々とまた隣り合わせで(つまり、自分の家族を殺した人間がすぐ近くに住んでいる)暮らしているという状況…

フィリップ・ゴーレイヴィッチ「ジェノサイドの丘−ルワンダ虐殺の隠された真実」(上)

ルワンダの死亡率は、ホロコースト中のユダヤ人のほぼ3倍に達する。これは広島と長崎への原爆投下以降、もっとも効率的な大量虐殺だった。 映画「ホテル・ルワンダ」を観て、なんで同じ国の人同士でこんな虐殺が起こってしまったのかが気になったので、読ん…

ホテル・ルワンダ

ルワンダの虐殺については話では知っていたけど、映像で観ると受ける印象はまったく違いますね。言葉を失いました。残虐なシーンは最小限に抑えられています。だからそこからショックを受けたわけではありません。彼らも、私たちとさして変わらない生活をし…



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